今回は、管理人がある福祉用具をレンタルするまで、2年の時間がかかったお話です。マイナーな福祉用具をレンタルするには、諦めることなく他に方法はないかを、福祉用具貸与事業者に聞くのも大切です。
ある福祉用具貸与対象品がカタログに載っているのに、借りれない!?
パーキンソン病は個人によって出てくる症状が違うため、日常生活でのサポートがそれぞれ対応が異なります。管理人の場合は、薬が切れると、姿勢の維持・歩行が危なくなるが主な問題点です。加えて、キッチンで立って作業をしていると、左側の腰に痛みが生じます。腰の痛みを防ぐために、丸椅子に座って作業をしているのですが、キッチンとの高さに微妙に合っていないため、作業しにくいのも問題です。
歩けなくても、足こぎで移動できる椅子を発見!
現在、足こぎで移動か可能な室内用の椅子は、写真にあるように2つしかありません。左側はウェルツセルフ、右側はユニ21電動です。機能を一覧にすると下記のようになります。
お試ししてみた感想
お試しで借りてみた結果、ウェルツセルフの感想は下記通りでした。
- 一人がやっと通れる幅の廊下を、ウェルツセルフで通れるし、カーブも曲がれる
- 立てなくても座ったまま、足こぎで移動できる
- 背もたれを掴んで押せば、歩行器の代わりにもなるし、座面に物を乗せて移動可能
- 最悪、座ったまま動けなくなっても、介助者が椅子を押せばそのまま移動できるので楽
- 椅子に駐車ブレーキがついているので、立ち上がりが安全にできる
- 扉の段差を越える時、ガッタンとなるので、段差をうめる措置が必要
- 座面を3段階のうち、どれかを選択しないといけないので微調整できない
一方のユニ21電動の感想は、下記の通りです。
- 垂直方向に座面が動くので、高さの微調整が取りやすい
- 重量が28kgと重たいので、足こぎで移動するのは練習が必要
- バッテリー充電に8時間要する
- バッテリーの残量が表示されないため、いつまで動くかわからない
以上の経過からウェルツセルフを選んだのですが、そこからレンタル可能となるには2年ほど時間がかかりました。
レンタルまで時間がかかった理由
なぜ、時間がかかったのかを聞いてみたら、複数の原因がありました。
- 福祉用具貸与事業者に品物を卸す問屋が、よく貸与されるものではないので仕入れをなかなか引き受けてくれなかった
- メーカーがウェルツセルフを受注生産にしているため、完成まで時間がかかった
介護保険を利用して実際に分かったことですが、介護保険で福祉用具を貸与できるものはカタログに載っています。福祉用具を借りる人は、カタログからある程度絞って選択し、福祉用具貸与事業者からお試しで利用してみて本採用を決めるのが通常です。
カタログに載っている利用可能だと思い、管理人は福祉用具貸与事業者に「ぜひ使ってみたいのでお試ししたい」と希望を出しました。その後、「問屋が取り扱ってないので、難しい」という返事をもらったことから、福祉用具貸与が可能なものとすぐにできないものがある現実を知り、呆然としたのをよく覚えています。
ウェルツセルフがレンタルできれば、ケガ等の要介護に至る要因を遠ざけることができるので、管理人にとっては必要なもの。でも、一方で問屋にとっては、レンタルされる回数が少ないものは、不良在庫となる可能性が高いため、なるべくなら引き受けたくない事情もわかります。
でも、誰のための介護保険かを考えてほしいという思いがあったので、管理人がなぜこの椅子を必要とするのかを福祉用具貸与事業者の方から問屋へ説得。役場の各担当とも、他の方法がないかを確認した結果、身体障害者手帳の補装具費支給制度も使えないと県担当者から正式に返事が来たところで、問屋がおろしてくれると了承を頂き、今に至ります。
管理人がウェルツセルフを借りたいの一言をきっかけに、実際にものが来るまでたくさんの方々の協力を得た結果、安全な生活ができるようになりました。動いてくれた方々への感謝でいっぱいです。