障害年金を受給すると、確定申告や健康保険料、年金保険料にどのような影響があるかを調べてみました。ここでは概要をまとめただけなので、詳細をお知りになりたい方は、年金事務所などに内容を確認いただくのをお勧めします。
<注意事項>
この記事は、2021年11月30日現在、確認できる情報から記載してます。法律の改正があった場合、変更される場合もあるので、最新情報を確認の上で対処してください。
確定申告での障害年金の取り扱いは非課税だが、国民健康保険料は注意が必要
障害年金は非課税所得にあたるため、障害年金のみいただいている場合、所得税と住民税が課税されないため、確定申告は必要ないです。しかし、国民健康保険料の減額を受ける場合は、自治体に障害年金以外の所得はないという申告は必要なので、この場合は確定申告をしておいた方が無難だと思われます。
確定申告をすれば各自治体にその情報がいくので、自治体はどの程度所得があるのかを把握した上で、正確な国民健康保険料の計算が可能です。自治体によっては、独自の保険料の免除もしくは、減額制度を持っているところもあるので一度、担当課に相談するのも方法の一つとなります。
一方、会社で入っている健康保険の被扶養者場合は?
障害年金受給されている方が被扶養者の場合、被扶養者の収入がどのくらいあるのかによって、被扶養者から外れるかどうかが決まります。ちなみに収入と所得の違いは下記の通りです。
収入 | 会社からもらった給与、パートで得た給料、自営業の売上げをいう。 |
所得 | 収入から必要経費を除いたのが、所得という。給与をもらっている方は給与所得控除、 公的年金をもらっている方は公的年金等控除が必要経費にあたる。 |
被扶養者に該当する条件は以下のようになっています。
被扶養者の枠から外れる事例としては、以下のケースが原則、考えられます。
- 障害年金を含めて被扶養者の収入が180万円以上ある
- 被扶養者の収入は180万円未満だが、被扶養者と同居の場合は、扶養者の収入の1/2≦被扶養者の収入となった時
- 被扶養者の収入は180万円未満だが、別居の場合は、扶養者からの仕送り≦被扶養者の収入となった時
健康保険の被扶養者から外れた場合、新たに国民健康保険か、勤め先がある場合は勤め先の健康保険に加入が必要です。
障害年金2級以上は国民年金保険料の法定免除がある
障害年金の等級が2級以上の場合、”国民年金保険料法定免除制度”があります。この制度は障害年金が2級以上の場合、お住まいの年金課または、年金事務所に行って手続きが必要です。窓口で”国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届”と年金証書を見せてもらうことで、国民年金保険料が免除されます。
国民年金保険料の免除開始は、障害年金の認定された日を含めた前月分からとなりますが、もしも、障害年金が該当しなくなった場合は法定免除が消滅するので、国民年金保険料を支払わなくてはなりません。また、免除された期間は老齢年金の受給金額が1/2~1/3減額となりますが、国民年金保険料の追納は可能です。
ただ、受給金額の計算式がかなり複雑のため、追納した方が有利なのかどうかを年金事務所や社会保険労務士に相談の上で検討されるのをお勧めします。
参考サイト
国民年金法 25条
国民年金の法令詳細です。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=334AC0000000141
厚生年金保険法 41条2項
厚生年金の法令詳細です。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=329AC0000000115
協会けんぽ
協会けんぽにおける、被扶養者の定義
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3160/sbb3163/1959-230/
障害者と税 国税庁<令和3年度>
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/03_2.htm
収入と所得の違いはなんですか? 東京都北区
収入と所得の違いがわかりやすく書いてあります。
https://www.city.kita.tokyo.jp/zeimu/kurashi/zekin/shotoku.html
国民年金保険料法定免除制度 日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20140710.html