パーキンソン病には誰の目から見てもわかる症状と、外側から見てもわからない症状があります。この2つの症状がパーキンソン病当事者に多大な影響を与えることは、一般的にあまり知られていません。この記事からパーキンソン病当事者の特徴を知っていただければ、幸いです。
パーキンソン病=運動症状+非運動症状
パーキンソン病は、動作に支障が出る運動症状とそれ以外の非運動症状の2つに分かれます。運動症状は、主なものでも9種類あり、第3者からみても比較的わかりやすいです。でも、パーキンソン病患者の全ての方が、この症状全てが出るわけではありません。それでは、運動症状の代表例4つを詳しく見ていきましょう。
1.手足がふるえる
イスに座っている時やベッドに寝転がっている時など、身体を動かしていない時に手足がふるえ、逆に手足を動かすと、振るえが止まる傾向にあります。
2.無意識に筋肉が過度に緊張して、筋肉が固まったりはったりする
この現象が起こると、関節の曲げ伸ばしが困難になったり、自分で力を抜いてリラックスするのに難易度が上がります。筋肉が固まるのが顔で発生すると表情が消えますし、足で発生すると立っているのも歩くのも難しくなり、当事者としては、動きたいけど動けない状態です。筋肉の緊張が過度に入ると痛みも伴うので、非常に困ります。
3. 動きがゆっくりになり遅くなる
文字を書くときに早く書けなくなったり、 歩き方もゆっくりになって腕を振るのも 少なくなったりします。
4.とにかくバランスがとりにくいし、歩きにくい
健常者の方の場合は、ちょっと押されても身体のバランスを立て直せます。しかし、パーキンソン病当事者の場合はちょっと押されると立て直せず、そのまま転倒になったり、予期しないところで声をかけられるとびっくりして動作がもたつくこともあるので、注意が必要です。
管理人の運動症状は?
薬の効き目が悪い時の管理人は、運動症状を下記のようにレベル分けされます。
薬の効き目の悪さが小さい場合 | ・前屈み姿勢、小刻み歩行が出現。 ・小字症が発生(字を書いているうちに、どんどん文字サイズが小さくなる現象) |
↓ | ・筋固縮(筋肉が勝手に緊張して、自力で力を抜けない。曲げ伸ばしもできなくなる)が発生して、かかとを床に降ろせる回数が減る ・歩行は何とかできるレベルだが、食器等の荷物を持っての移動は不可。 ・一人で歩くより、歩行器で歩いた方が安全。 何もないところで、後ろへいきなり転倒するのが増える。 |
↓ | ・筋固縮が進み、椅子から離れない回数が増える ただし、筋固縮してる部分を軽く叩いて、筋肉が緩んだ隙に動くこともあり。 ・安定して歩けないレベル。 ・メトロノームアプリで♩=120に合わせると、なんとか歩ける。 |
↓ | ・8m以内にあるトイレを往復するのに1〜2時間かかる。 ・かろうじて、壁伝い歩きで移動。 ・移動中に何度も転倒したり、バランスを崩したりする。 ・歩行器があれば、ギリギリゆっくり歩ける。 ・表情が消える ・着替えが一人では、難しくなる |
薬の効き目が感じられない場合 | ・何をやっても、動けない(=無動)し、起き上がれない。 ・どんなに声を出しても、小さい声のまま。 ※2021年4月26日に起こった、6時間動けない、水分補給できなかったのは、このレベル。 |
上記の表のように、薬の効きの悪さのレベルによって、出現するものが違ってきますし、対応策もそれぞれ変わってきます。また、誰の目にも明らかにわかるので比較的、運動症状はわかりやすいものです。
パーキンソン病当事者は、非運動症状にも悩む
パーキンソン病は運動症状の他に非運動症状もありまして、管理人も悩まされ中です。非運動症状は自律神経から起こるものと、睡眠関係、精神症状などがありますが、全ての症状がパーキンソン病当事者に当てはまるわけではないので、ご注意ください。具体例を出すと下記のようになります。
1.自律神経がうまく働かない場合
- 自律神経の不調からくる便秘と頻尿
- 立ち上がった時に血圧が下がるため、頭がボーっとしたり、めまいやふらつきがある
- 寝ている時は血圧が高くなる
- 体温調節機能がうまくいかない 等
2.感覚障害になる場合
- 臭いがわかりにくくなる
- 首、肩、背中、手足など身体のあちこちで痛みや痺れが起こる 等
3.睡眠に問題が出る場合
- 大声で寝言を言う
- 手足をバタバタさせる
- 寝返りが打てない
- 悪夢をよく見る
- 本人は眠気を感じてないのに突然寝て、数分後に目を覚ます(=突発性睡眠という) 等
4.精神症状
*個人差が大きい症状なので、一概に当てはめてはいけません。
*幻視や幻聴がでたら薬の副作用の可能性もあるので、早急に医師に相談する必要があります。
- パーキンソン病は難病だからこれからどうすればいいのかと、不安がちになる
- 悲観的な考え方ばかりしてしまう
- 意欲が低下する
- 現実には存在しない人や虫・動物などが見える(幻視)
- 誰からも話しかけられてないのに人の声が聞こえる(幻聴)等
管理人の非運動症状は?
管理人の場合だと…
- 便秘(2021年2月からある試みをして解消)
- いっぺんに眠れる時間は、3~4時間。
- 就寝して3時間後に途中で起きて、トイレに行く
- 急に血圧が落ちて、顔が青白くなり、気持ち悪くなる
- 就寝中に、爆発から逃げる夢を見て、ベッドから玄関先までダッシュしていた。玄関の鍵を開けようとして、我に返った
- 名詞がパッと出てこない、もしくは思い出すまで時間がかかる
- 悲観的な考え方をすると、泣きやすい 等
過去の病状記録から確認したところ、このような感じです。非運動症状は外から見てもわかりにくいので、第3者の理解を得るのはかなり難しくなります。
パーキンソン病には、誰が見てもわかる症状と、わからない症状がある
パーキンソン病は目に見えて誰もがわかる症状と、第三者の理解を得るのに難しい症状の2つがあります。パーキンソン病当事者は難病で将来が見えない不安感を抱えて日常生活を送っているので、ちょっとしたことで精神的に影響を受けて調子が悪くなったり、次の瞬間には動けるようになったりします。
パーキンソン病当事者はこういった症状に対処するのに精一杯で、故意に作業速度を落としたり、わざと動けなくなっているわけではありません。この記事で、パーキンソン病当事者は上記のような特徴があるのをご理解いただければ、幸いです。