DBSとMRI検査

DBS(脳深部刺激療法)は、現在、一部機器で条件付きでMRI検査が可能となっています。ただし、ある一定の条件を満たさない場合、MRI検査ができない可能性があり、これを十分、踏まえた上で、冷静に検討したいところです。

発売当初のDBSではMRI検査できず

MRI

MRIは強力な磁気が発生するため、発売当初のDBSは、磁気の影響で機器が発熱する可能性があり、MRI検査はできませんでした。

具体例を挙げると、転倒で頭を打ち、意識障害が起こった場合、真っ先に心配されるのが脳内で発生する出血です。そのためにCT検査やMRI検査で、現在の状態を確認することになります。

一般的に、CT検査の情報量<MRI検査の情報量となっており、医師がMRI検査を重視するのもこういった理由です。もし、MRI検査で現状を詳しく確認できない場合、手術で開けてみないとわからない状態となり、医師も慎重な対応となります。

室内で転倒したJさんの場合

手術

深部脳刺激療法でDBSを入れたJさん。外での転倒はなくなり、割と快適に過ごせていましたが、最近、自宅で転倒して肘を負傷。クリニックへ行ったところ、異常なしと診断されました。様子を見ても状態がよくならない日々が続き、大きな病院へ。

改めて診察を受けたら脱臼・靭帯断裂との診断。医師からMRI検査で損傷した状況が見れないため、手術で開けてみないとわからないと言われて入院することになりました。

現在は、一部機器は条件付きでMRI撮影可能

診察

新しく出たDBS機器は、一定の条件のもとでMRI検査が可能とはなりました。
しかし、どこの病院でもMRI検査が可能という意味でなく、厳しい条件をクリアしないとMRI検査実施に際し、危険が伴います。

例えば、DBSとそのリード線がMRI検査の使用基準を満たしても、病院のMRI本体が条件に当てはまらないという事態になった場合、最悪MRI検査ができなくなり、代替検査を受けることになるでしょう。

DBSを植え込み後には、病院から必ず手帳とカードを渡されます。自分の安全を守るためにも、病院が適正な治療ができるように、病院やクリニックに行く時は、必ず手帳やカードを見せましょう。

参考資料

今回、投稿するにあたり、参考にしたURLです。特に、独立行政法人 医薬品医療機器統合機構(PMDA)は、内容は正直、難しいところがありますが、大変有用な情報が多いです。
DBSをご検討されている方は、ぜひご覧いただくのをお勧めします。

ドクターズ・ファイル 

 https://doctorsfile.jp/
  ・脳内出血
  ・頭部外傷

独立行政法人 医薬品医療機器統合機構(PMDA)

https://www.pmda.go.jp/


 機械器具等12理学診療用器具 しん震用脳電気刺激装置
 DBSリード(条件付きMRI対応)

https://www.info.pmda.go.jp/ygo/pack/530366/20700BZY00880000_A_01_12/20700BZY00880000_A_01_12?view=body

平成22年度 第1回医薬品・医療機器安全使用対策検討結果報告(医療機器関連事例) 別添1

https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/medical-safety-info/0077.html

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