レポドパカルビドパ経腸療法(LCIG)は胃ろうを作って外部からレポドパカルビドパ液を入れて、体を動かそうとする療法です。安全に運用をしないと、自分の体を危うくする可能性があります。
<注意>
管理人は医療従事者ではありません。参考資料をもとに記事掲載時点を書いているので、その点をご了承ください。また、治療方法の選択は、ご自分の主治医と十分に話し合いを持たれた上で、決めることをお勧めします。
レポドパカルビドパ経腸療法(LCIG)とは?
レポドパカルビドパ経腸療法は大雑把にいうと、レポドパとカルビドパが入った液体を胃ろうのチューブ経由で直接、体の中に入れるものです。
胃ろうを作る本来の目的は、下記の目的で作られます。
内視鏡を使って「おなかに小さな口」を造る手術のことです。 造られたおなかの口を「胃瘻(胃ろう)」と言い、取り付けられた器具を「胃ろうカテーテル」と言います。
口から食事のとれない方や、食べてもむせ込んで肺炎などを起こしやすい方に、直接胃に栄養を入れる栄養投与の方法です。
http://www.peg.or.jp/eiyou/peg/about.html
胃ろうから直接、レポドパカルビドパ液を入れることで体を快適に動かそうという狙いがあります。この療法の詳細を知りたい方は、インターネットである程度出てくるので、ご自分でお調べください。
管理人は医療従事者ではないので、調べた事実を掲載します。
LCIG導入後に注意すること
パーキンソン病当事者がレポドパカルビドパ経腸療法(LCIG)を受けた後、薬だけを飲んでいた頃と違って、色々注意することも多いようです。実際に、PMDAに報告が上がった事例を説明します。
胃で固定された部品が落下し、激烈な腹痛発生
外から胃ろうを通して薬液を体内で送り込むので、チューブや固定器具の落下が起こると、腸内が詰まるので異常事態発生となります。
ヒヤリ・ハット事例には、エノキダケがチューブに絡まってしまい、通常あるはずのところから大腸まで落下。エノキダケとチューブが腸内で大きな塊を作り、腸を詰まらせて激烈な腹痛を発生したケースでした。
事例内で医師側の対策としては、チューブなどの固定部品がきちんと止まっているを確認するため、定期的な検査が必要と明記されてます。
パーキンソン病当事者としては、同じ病院内で胃ろう作成とパーキンソン病の診察が同時にできれば問題ないです。ただ、胃ろう作成が外部の病院だった場合、非常時の対応はどうするのかを双方の主治医とよく相談する必要があります。
皮膚トラブル
本来、体に穴はないので、体は修復しようと胃ろうで穴を開けた周囲に働きかけます。接続器具が体に上手く馴染めば問題ないですが、皮膚にびらんを作ったり、感染症と併発して皮膚の状態が悪化したりするケースもあるようです。
皮膚トラブルが発生した場合は、主治医と相談できる環境が必要となります。訪問看護サービス導入の検討や非常時の場合はどのように対応すればいいのか、事前に取り決めをした方が良さそうです。
非常時の対応を医師と話すのが大切
新しい治療法を導入する時に、導入する時としない時の差を考えがちです。
でも、導入後の管理はパーキンソン病当事者と医師の共同作業のため、気軽に相談できる環境づくりを双方できちんと行う必要があります。
あなたの体が動くのが一番ですが、非常時の対応はどうするのかを医師と取り決めを交わしておくことも、パーキンソン病当事者が日々を安全に過ごすのに必要です。
参考資料
PMDAのヒヤリ・ハット事例詳細
PMDAでは、医薬品・医療機器のヒヤリハット報告も公式に公開されてます。
検索時に”LCIG ヒヤリハット”と入力すると、詳細が出てきます。
L-ドパ持続経腸療法(Levodopa-carbidopa continuous infusion gel therapy)の
初期導入時における合併症とトラブルシューティングの単施設における報告
2020/12/21付、日本神経学会経由で向井洋平先生から直リンクの許諾を得ています。LCIGの普及や安全な運用に何が必要かの記載がありました。
https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/059040177.pdf
NPO法人PDN
胃ろうについての詳しい説明があります。