電車に乗って出かけよう

今回、読者の黒ゴンさんより体験談を頂きました。一度は絶望を味わい、それでも前向きに生きる黒ゴンさんの物語は、一山を乗り越えるヒントになるかもしれないです。

寝たきりになるかもしれないという、絶望と出会った

パーキンソン病の発症は2013年で、確定診断がついたのは2015年です。2018 年3月までは、重症度を示すホーン・ヤール分類Ⅰ度で、日常生活に不自由を感じることは、ほとんどありませんでした。

ところが、2018 年4月に椎間板炎という病気にかかり、2か月間の絶対安静。その後ベッドから起き上がると、全身の筋肉が落ちて歩けないし、体幹が安定しないクニャクニャな身体になっていました。

パーキンソン病の症状も大きく進行し、今ではホーン・ヤール分類Ⅲ度、障がい者手帳3級、介護保険認定要介護2の身体で、歩行器かロフストランドクラッチ(杖)が必要です。

医師や看護師は、このまま寝たきりになってもおかしくないと思っていたそうですが、何とか70mは歩けるようになり退院しました。しかし、退院後は思うようにならない自分のカラダへの絶望感や不安、椎間板炎の後遺症からくる耐えがたい腰痛に苦しみ、孤独感から家に引きこもりがちに。また、精神的にも肉体的にも最悪な状態になり、一度は自ら命を絶とうとも思いました。

その時は、自分が到底電車に乗るなんて、外出なんて出来るわけがないと思っていました。でも生きたい。そんな時にふと思い出したのが、下記の言葉でした。

「病気は自分が将来享受したであろう喜びを奪った敵である。病気に勝てないけれど負けない」

これは自分の精神や肉体がどんな状況であろうと我を忘れないように、入院中から今でも口にしている言葉です。

ともかく現状から抜け出したいと思い、患者会主催のイベントに参加したところ、「打ち合わせに来てみませんか」と声をかけられました。

この誘いは自分が変われるチャンスかもしれない、いやチャンスにしたかったのだと思います。しかし打ち合わせ会場は自宅側の駅から私鉄に乗り、20分程度かかるところにあります。

「え、歩行器で電車に乗れるの?電車から降りる時すくみ足が出て動けなくなったらどうしよう。他の乗降客と一緒に動けなかったらどうしよう・・・」等々と考えれば考えるほど、不安になりました。

でも、このままでは病気に負けてしまうと思い、まずは私鉄へメールで問い合わせることにしました。

「私はパーキンソン病患者です。歩く時に歩行器を使ったり、調子の良い時はロフストランドクラッチ(杖)を使っています。電車の乗り降りに不安があるので介助をお願いできますか。」

私鉄からの回答は「乗車を希望する時刻、15分前までに乗車駅にご連絡ください」というものでした。駅によっては駅員の手配が必要であったり、駅の構造上、車いすや歩行器が利用困難な場合があります。

わりと規模の大きな駅ならば、当日でも乗車希望の15分前程度の余裕を持って駅に行き、改札口で介助をお願いすることも可能です。駅員がスロープを用意したり、乗り降りが終わるまでドアが閉まらないようにしたりと、安全な環境を提供します。

また、乗車駅の駅員から降車駅に乗車位置は連絡されるので、駅到着時に駅員が待っていて立ちあがりの補助やエレベーターから改札まで誘導してくれます。

車いすや歩行器利用時だけではなく、電車の乗り降りで不安があれば駅に申し出てみてください。その時にどんな助けが必要かなるべく具体的に伝えると良いでしょう。

ちょっと遠くに出かけてみませんか

自宅最寄り駅から目的地までの往復ができた事は電車に乗れたというだけではなく、生活でも大きな自信となりました。怖くてできなかったコンビニや喫茶店に行くという当たり前の事が、この経験でまた当たり前に出来るようになりました。

「出来ない出来ない」という心は自分で作る壁なのかもしれませんね。もしあなたが病気で自信を無くしているなら、少し遠くに出かけてみませんか。「自分の為」の行動でかまいません。皆パーキンソン病と向かいながら頑張っている仲間です。貴方は一人ではありません。

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